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リモートワークにおける「サイロ化」問題とその対策 #ovice #zoom #slack #リモートワーク #テレワーク #在宅勤務

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はじめに

クリエーションラインではかねてよりリモートワークに力を入れており、富山事業所をはじめとして海外や東京都外に在住しながら仕事をしているメンバーがいます。そして、昨今の新型コロナウイルス感染拡大リスクを防止するため、2020年2月18日からいち早く在宅勤務の推奨を開始し、2020年3月27日からは全社員・パートナー様(従業員)を対象に全社原則在宅勤務(フルリモートワーク)へ移行しています。

残念ながら2021年6月現在も新型コロナウイルス感染拡大は終息の兆しを見せていません。そのような状況下でも弊社はリモートワーク関連手当て支給感染拡大予防策の策定各種手当を継続支給による在宅環境の支援など、フルリモートワークを「ニューノーマル」とした対応が続いています。

以来、弊社ではバーチャルスペース「oVice(オヴィス)」、remoバーチャルオフィスZoomGoogle MeetSlackなどを用いてリモートワークを実施しています。それぞれがそれぞれの長所を持つ、適材適所で活用できるツールです。

本稿ではリモートワークによって浮かび上がってきた「サイロ化」問題とその対策について取り上げようと思います。

「サイロ化」とは

サイロとは、

  1. 冬季の家畜飼料にする青草類を生に近い状態で貯蔵する倉庫。地上に建てる円筒形のタワーサイロ、穴を掘って作るトレンチサイロなどがある。
  2. セメント・穀物・肥料などを貯蔵する塔状の倉庫。

のことです(デジタル大辞泉より)。サイロ内の貯蔵物が外気や他のサイロの貯蔵物と混じらないことから転じて、各部署が孤立し、部署間の風通しが悪くなり、他部署が何をやっているかわからなくなったり、連携が取れなくなっている状態を「サイロ化」と呼びます。

リモートワークにおけるサイロ化

弊社は企業文化として「Know Each Other(良いチームになるためにお互いを知る)」と「Zatsudan(雑談)」を掲げています。コロナ禍以前では社内に一堂が会して(一部参加者は当時からもリモートで参加して)、雑談を行っていました。また、皆でカフェを楽しめるコミュニティスペースに、ふらりと立ち寄ったときに居合わせた他部署の人と雑談するということも多く行われていました。これにより他部署の業務への関心や連携が生まれたり、新たな人的つながりが生まれたりとよい環境ができあがっていました。

フルリモートワークとなってからも「雑談」そのものは継続して行われています。弊社で業務・工数管理のために採用しているTeamSpiritには「雑談」という工数項目を追加してあり、雑談を業務として計上することができます。

しかしながらフルリモートワークとなったことで「雑談」の相手が固定化、すなわち「雑談のサイロ化」という問題が浮かび上がってきました。先に述べた通り、オンサイトであれば「ふらりと立ち寄ったときに居合わせた他部署の人と雑談」を日常的に行うことができていましたが、それがやりにくくなっているのです。以降にいくつか例を挙げていきます。

「Zoom」や「Google Meet」におけるサイロ化

ZoomやGoogle Meetは参加するためにミーティングIDが必要なので、それを知らない人はそもそも参加ができません。部署内での雑談が活発に行われているとしても、他部署の人が飛び入り参加して雑談することはかなり難しくなっています。

「Slack」におけるサイロ化

弊社ではSlackチャンネル作成は自由となっており、業務との関係あるなしに関わらず、多種多様なチャンネルが作成されています。同じ趣味を持った人達が部署を越えてその趣味のチャンネルに集い、活発に交流することもあるのですが、「そういうチャンネルがあることを知らない」人は参加できません。

「oVice」におけるサイロ化

バーチャルオフィス内を自由に歩き回れることがoViceの利点ですが、自発的に移動しなければ1日中同じ場所で過ごすことも少なくありません。さまざまな理由により物理的に移動しなければならなかったオンサイトと異なり、「偶然の出会いから生まれる雑談」が減って「いつも近くにいる人との雑談」のみとなってしまうことも多いです。

「リモートワークにおけるサイロ化」を解消するための対策

自部署を知る

会社、部署という大きなくくりから、サブチーム、あるプロジェクトのためのチームといった小さなくくりに至るまで、所属したばかりの時点では「みんな他人」です。時節柄、一度もオンサイトで対面したことがない人も同じ所属になることすら珍しくありません。そのため何らかのくくりができた直後はお互いに自己紹介して雑談する時間を取り、「個人という最小単位のサイロ」の解消をまずは目指します。

部署を越えたライトな取り組み

業務との関係あるなしに関わらず、部署を越えたコニュニケーションを推進するライトな取り組みを行っています。

これらは有志がほぼ自発的に行っている活動です。

oViceに多くの「オープンスペース」を設置

2021年6月現在、弊社oViceフロアマップは次のようになっています。

以前のoViceから会議室を少々減らし、誰でも立ち寄れるオープンスペースと、そこで現在話している内容を書ける看板を多数設置しました。これにより「ふらっと立ち寄って会話に参加する」という点に関してはかなりハードルが下がったと思います。

Slack(文字ベース)とoVice(音声ベース)での雑談ネタの相互持ち込み

  • Slackで行われた雑談ネタをoViceに持ち込みことで、その雑談が行われたSlackチャンネルを知ることができる。
  • oViceで行われた雑談ネタをSlackに持ち込むことで、oViceの雑談にリアルタイムで参加できなかった人も後から文字ベースで参加できる。

すべてを相互持ち込みするのはなかなか難しくベストエフォートとなりますが、疎外感を持つ人が出ないような工夫です。

その他

これらの他にも、現在さまざまな対策案を検討中です。

おわりに

本稿ではリモートワークでの「サイロ化」、特に弊社の企業文化である「雑談」のサイロ化問題と、その対応策についていくつか取り上げました。リモートワークにおけるサイロ化を防ぐカギは「透明性」と「自発性」だと思います。透明性を確保することにより、各自の自発性を後押しすることにつながります。透明性の確保はオンサイトでも変わらず重要ですが、自発性の後押しはリモートワークだからこそより重要になると思います。

また、これらのサイロ化問題は氷山の一角かもしれませんし、対策についても経過観察が必要で、全面解決に向けてはまだまだ取り組んでいる真っ最中です。例えば、毎週月曜日の全社朝会の時間も使って雑談を行っています。本稿をお読み頂いている皆様にもリモートワークで顕在化した問題やその対策を取っておられる方もいらっしゃると思います。何かコメント等ございましたら クリエーションライン公式ツイッターアカウントクリエーションライン公式フェイスブックアカウント までお気軽にお寄せください。皆様と情報交換できれば幸いです。

クリエーションラインでは今後もリモートワークのサイロ化問題の解決に取り組んでいき、その成果をレポートしていきたいと思います。

Author

Chef・Docker・Mirantis製品などの技術要素に加えて、会議の進め方・文章の書き方などの業務改善にも取り組んでいます。「Chef活用ガイド」共著のほか、Debian Official Developerもやっています。

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