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【事例】レガシーなWebLogicアプリをDocker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)に移行して運用を改善
#DX #Docker #モダナイズ #インフラコスト削減 #Mirantis

この記事は1年以上前に投稿されました。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

本稿は2020年1月に公開されたMirantisブログ「Shifting Legacy WebLogic Apps to Docker Enterprise for Improved Operations」(オリジナル版は2017年Dockerブログにて公開)と、Mirantisケーススタディ「Alm. Brand Saves 90 percent of Maintenance Time in 10 Months」を翻訳・編集したものです。

1792年創業のAlm. Brand社は、デンマークのコペンハーゲンを拠点とする保険企業で、これまでDockerConに登壇した中で最も長い歴史を持つ企業です。ITアーキテクトのSune Keller氏とシステムスペシャリストのLoke Johannessen氏は、コペンハーゲンで開催されたDockerCon Europe 2017に自転車で駆けつけ、同社がレガシーなWebLogicアプリケーションをDocker Enterpriseへ移行した方法を実演しました。

レガシーなアプリケーションの安定的な運用を求めて

Alm. Bland社はDockerCon 2015でDocker Enterpriseについて知り、Docker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)を導入しました。同社はまずこの新しい技術を基にしたモダンなアプリケーションをDocker Enterprise環境でデプロイすることに取り組み、見事成功させました。その後、運用チームが最も頭を悩ませていた既存のWebLogicアプリケーションに取り組みました。当初、同社はWebLogicアプリケーションをすべて同じJVM上で動作させ大規模なクラスタで運用していました。そのため1つのアプリケーションがクラッシュすると、JVM全体のクラッシュやクラスタの停止を招くことがしばしばあり、根本的な原因となったアプリケーションの特定もまた困難となっていました。またクラスタに同時にデプロイできるアプリケーションは1つに限られていたため、アプリケーションのセットアップも非常に不安定かつ遅いものでした。

続いて、Docker Enterpriseで最初にステートレスなアプリケーションのバッチを実行した際に得たスキルと知識で、彼らはレガシーなWebLogicアプリケーションの移行について野心的な目標を立てました。コードを変更せず、ユーザへの影響も最小限に抑えながら、勤務時間内で既存のクラスタからDocker Enterprise Engine(現Mirantis Container Runtime)に切り替えることを目標にしたのです。

結果とインパクト

Alm. Brand社は、39のWebLogicアプリケーションをDocker Enterprise環境に移行し、約50のモダンなアプリケーションと共に稼働させています。レガシーなクラスタと新しいDockerクラスタ間でアプリケーションをロードバランシングし、一方のクラスタから他方のクラスタへ徐々にトラフィックを移行させることにより、ユーザを混乱させることなく移行を成功させました。Sune氏とLoke氏はこのプロセスをDockerConで実演しました。

この移行が運用チームに与えた影響はとても大きなものでした。その一部を紹介します。

  • 構成管理を効率化:
    Alm.Brand社は異なるアプリケーション間で8年分の構成差分を発見しました。これは同社が取り組んだ困難な課題のひとつとなりました。慎重にテストを実行し依存関係を解消することで、26種類あったカスタム仮想マシンのテンプレートを12種類にまで減らすことができました。
  • メンテナンスとトラブルシューティングを簡単に:
    アプリケーションが互いに分離されているため、サービスの中断が大幅に減少しました。その結果、アプリケーションで発生した問題の特定とその解決が容易になりました。
  • モダンなアプリケーションとレガシーなアプリケーションの運用モデルを統一:
    同じDocker Enterpriseプラットフォーム上で両タイプのアプリケーションを実行することで、ポートフォリオ全体でロギングとメトリクス収集を集中的に行うことができます。共通のプロセスと単一のダッシュボードで、すべてのアプリケーションを管理できるようになりました。

次なる目標

Sune氏とLoke氏は、残り10ほどのWebLogicアプリケーションの移行を終えてから、Windowsアプリケーションのポートフォリオに着手する予定です。彼らはすでにDocker Enterpriseの基本的なアクセス制御とLDAP統合機能を活用しており、現在は本番環境と非本番環境を分離するためのノードベースの分離など、その他高度な機能の活用も検討しています。

1792年創業の保険企業がDocker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)で
レガシー/モダン両アプリの運用コストをわずか10か月で9割削減

課題
WebLogicのコアアプリケーションは不安定で、更新サイクル中に停止しやすい状態にあった。運用チームではビジネスをダウンタイムから守るために、環境を安定させる必要性が高まっていた。

ソリューション
Alm. Brand社はDocker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)を導入し、レガシーアプリケーションをコンテナ化し、環境を安定させるための基盤を手に入れた。その後Windows Serverアプリケーションのコンテナ化も計画。

結果
アプリケーションをコンテナ化することで、依存関係の軽減・構成管理の効率化・サービス中断の最小化に成功。1つのアプリケーションの問題が本番環境全体に影響するのを防げるようになった。

「現在では、レガシーなアプリケーションのほぼすべてをDocker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)で管理しており、それらを独立してスケールさせることができます。問題のトラブルシューティングに費やす時間が90%減り、その分、より生産的な仕事に時間を割くことができるようになりました。」 Sune Keller氏:Alm. Brand社 ITアーキテクト

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