【事例】DXに成功するためには 恐れずに失敗せよ
– 米シチズンズ銀行が Docker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)でイノベーションとインフラのコスト削減を同時に実現 –
#DX #Docker #モダナイズ #インフラコスト削減
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本稿は2020年1月に公開されたMirantisブログ「Why you Have to Fail Fearlessly to Succeed: Innovation at Citizens Bank with Docker Enterprise」(オリジナル版は2017年Dockerブログにて公開)と、Mirantisケーススタディ「Citizens Bank Modernizes the Mortgage Experience and Cuts Infrastructure Costs with Docker Enterprise」を翻訳・編集したものです。
私たちは シチズンズ銀行の住宅ローン部門を訪れました。規制が厳しく、いまだに紙の書類がベースとなっているレガシーなビジネスでどのようにイノベーションを行ったのか話を伺いました。
彼らが学んだ最も重要な教訓は、「恐れずに失敗する」ことです。しかしそのためには失敗の影響とコストを最小限に抑える必要があります。そうすれば常に新しいアイデアを試せる態勢が整います。Docker Enterprise(現在のMirantis Kubernetes Engine)を使用することで、シチズンズ銀行は新しいアイデアを、構想段階から本番まで最短1日で完了できるようになりました。
焦点
Matt Rider氏(CIO/住宅ローン部門):
私たちは、フロントエンドであるお客様と、バックエンドである融資担当者や事務処理スタッフのユーザ体験の向上に焦点を当てています。この両者をどのように結びつけたら、住宅ローンを利用する際の煩雑な手続きを軽減することができるのかが課題でした。
イノベーションチームの結成
Matt Rider氏:
私たちは住宅ローンを組むときの煩わしさを軽減したいと考えていました。しかしこれまでと同じ方法を続けていたのでは、このビジョンの達成は不可能だと認識しました。直面している課題やビジネス上の問題に対処し、いかにして生き残るかのみを考えているうちは、変わることができないものです。前向きに考えられ、必要な資金があり、失敗を恐れない独立した組織が必要でした。そのためにイノベーションチームを結成することが重要な鍵となりました。
Sharon Frazier氏(SPV/イノベーションチーム担当):
私たちは、既存の方法を壊す必要があったのでゼロからイノベーションチームを立ち上げることにしました。以前から自社で活用する製品を作っていた経験がありましたので、その経験を元に機能横断的なチームを立ち上げ、あたかもスタートアップ企業の様に行動しました。
失敗を経験することの重要性
Matt Rider氏:
失敗を経験できることが重要でした。そのためには、新たなリスクを許容でき、解決方法を模索し試せることが必要です。つまり組織やリーダーシップが発生した課題や問題に対して、どの様に反応するのかが重要なのです。現場のチームに対して、失敗を恐れず挑戦させ、失敗したならば次はどのような異なる方法を取ればよいかを考えるよう導けばいいのです。
Don Bauer氏(DevOps 上席マネージャ):
Dockerのおかげで、私たちは恐れずに失敗できるようになりました。新しいことを簡単かつ迅速にテストすることができ、もしそれがうまくいけば最高ですが、もしうまくいかなくても、費やした時間は数週間や数か月ではなく、せいぜい数時間、多くても数日間です。
Dockerと共に
Matt Rider氏:
わが社にはイノベーションのためのプラットフォームがありませんでした。Dockerを知ったのはちょうどその時期で、Dockerが私たちに自由を与えてくれる重要な役割を果たすことに気づいたのです。
Sharon Frazier氏:
Dockerは、私たちの新しいプラットフォームの構成要素です。これによって開発者は自立することが可能になりました。アプリケーションの中に新しいサービスやコンポーネントを作りたい場合、開発者がデリバリープラットフォームを通じて自己完結できるようになったのです。
Don Bauer氏:
Dockerプラットフォームのおかげで、開発環境から本番環境まで、実に簡単に、パイプラインのあらゆる部分を改善できます。おかげで毎日新しい課題に対処できるようになりました。
Dockerがもたらしたイノベーション
Mike Noe氏(DevOps上級エンジニア):
2016年11月にイノベーションチームを立ち上げた当初は約12のコンテナと、3~4のサービスを動かしていました。その後プラットフォーム全体で3,000以上のコンテナ、1,000以上のサービスを稼働させるまでに成長しました。これにはテストクラスタとステージングクラスタ、そして運用クラスタと本番クラスタが含まれます。
Don Bauer氏:
Dockerによって、私たちのアプリケーション開発の方法は大きく変わりました。大きなモノリスを作り、すべてを1つのパッケージに詰め込もうとすると、メンテナンスに苦労することになります。今では、小さくて単一の目的のサービスを構築するために単一フローに移行しました。Dockerなしではこの開発手法をとることはできませんでしたし、それらのサービスを管理することもDockerなしではできませんでした。
Matt Rider氏:
Dockerは間違いなくわが社のイノベーションに貢献しました。アイデアを加速させ、場合によっては数時間で構想段階から運用までの移行を可能にしてくれます。このようにしてDockerは、住宅ローン業界でシチズンズ銀行を差別化できる多くの可能性を与えてくれました。
シチズンズ銀行がDocker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)で住宅ローンのユーザ体験のモダナイズとインフラコストの削減を実現
課題
シチズンズ銀行は、ITインフラのコストを削減しながら、迅速な技術革新、需要の増加に対応した拡張性、顧客の住宅ローン体験をモダナイズする新しいアプリケーションを提供する能力を求めていた。
ソリューション
シチズンズ銀行は、アプリケーション開発を加速し、主要なアプリケーションのモダナイズに成功。またコンテナファースト戦略への移行も実現。同行は2017年にDocker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)上で3,200以上のコンテナと1,000以上のサービスを実行し、住宅ローン事業を支援。
結果
シチズンズ銀行ではこれまで新しいサービスを構想から本番まで完了するのに数ヶ月かかっていたが、1日以内に完了できるようになった。Docker Enterprise(現Mirantis Kubernetes Engine)の導入により、チームは1日あたり200以上のデプロイが可能になり、サーバーとストレージの容量をそれぞれ40%と90%削減することに成功。
Docker Enterprise(現在のMirantis製品)に関するお問い合わせはこちら。
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※Docker Enterprise事業は2019年11月14日にMirantis社によって買収されました。
当時のDocker Enterprise製品は、現在は下記のように名称変更されています。- 「Docker Engine」→「Mirantis Container Runtime (MCR)」
- 「エンタープライズ版Docker」→「Mirantis Kubernetes Engine (MKE)」
- 「Docker Trusted Registry」→「Mirantis Secure Registry (MSR)」