2024.05.30

【用語解説】AI駆動開発(AI-Driven Development)とは？

【AI駆動開発とは】

AI駆動開発(AI-Driven Development)は、生成AI・LLMを利用した新しい開発プロセスです。要件整理、UI/UXデザイン、設計、コーディング、テスト、リリース、インフラ構築などをAIを活用を前提にした開発プロセスになります。これにより開発者の負担を軽減と開発の効率化に加え、リリースの高速化、エラー削減、統一された高品質なソフトウェアを作ることが可能となります。

生成AI・LLMはまだまだ発展途上の技術であり、今後さらなる投資が集まることにより指数関数的に進化していくことが予想されます。これに伴いAIで実現する範囲も増えていきます。また、エンジニアの役割・求められるスキル・学習方法、マインドセットのあり方もAIを活用を前提に変化していくことになります。

【AI駆動開発を導入するメリット】

現在のシステム開発とアプリ開発で起こりうる様々な問題を解決します。

開発者の経験に依存しない開発を行う
コーディングスタイルのばらつきを無くし、効率と品質を統一する
開発効率が安定し、成果物の遅延を防ぐ
必要十分なドキュメントを作成する
テストをしっかり行うことで品質を担保する

優秀な開発メンバーがいればこれらの問題は少ないかもしれませんが、実際には十分なスキルを持った人材を揃えることは非常に難しいため、品質に課題を持つプロジェクトも多いのが現状です。
AI駆動開発を導入することにより、開発の負担を軽減し、効率・品質を上げることが可能になります。

【AI駆動開発の注意点】

AI駆動開発は、開発現場の生産性アップやスピード向上につながりますが、注意点もあります。

セキュリティ
品質
著作権

AIは学習したパターンに基づいてコードを生成するため、意図した要件を満たさない可能性がある為、現状のAI駆動開発では人によるレビューが必要です。

また、インターネット上に公開されているソースコードを学習対象とした場合、ライセンス形態をしっかりと把握しないまま流用すると意図せず著作権を侵害し、多額の賠償金を請求されるといったケースもあります。

加えて、セキュリティ対策として開発者は過度にAIを信頼せず、生成されたコードに脆弱性が潜む可能性をしっかりと認識しておくことも必要となります。

【AI駆動開発に必要なソリューションについて】

【AI駆動開発を導入する流れ】

【STEP1】導入計画と基盤の構築

導入計画の作成
- 組織の現状を分析し、AI・LLMをどのように利用するかの計画を立てます。目標、期待される成果、必要なリソース、タイムラインなどを明確にします。
AI利用ガイドラインの作成
- AIを使う際のルールや方針を定めるガイドラインを作成します。これには倫理的な観点、使用上の制限、データ管理などが含まれます。
インフラとツールの準備
- 必要なソフトウェアやツール（GitHub Copilot、Cursorなど）の選定と導入を行います。また、これらのツールを効果的に使うためのインフラの準備も進めます。

【STEP2】コーディングと設計の支援

コーディング自動化・アシストツールの導入
- 開発者がAIツールを使って効率的にコードを生成し、修正するためのトレーニングを実施します。
要件定義・設計支援ツールの開発・導入
- AIを利用して要件定義や設計のプロセスを支援するツールを開発・導入します。これにより、設計段階での効率性と正確性が向上します。

【STEP3】テストの自動化と効率化

効果測定機構の導入
テストの自動化
- テストプロセスを自動化し、効率化するためのAIツールの導入を支援します。これにより、バグの早期発見と修正が容易になります。
継続的な評価と改善
- 導入されたツールとプロセスの効果を定期的に評価し、必要に応じて改善策を講じます。これにより、組織がAIを最大限に活用できるようになります。