【事例】Kubernetesのアジリティとイノベーションで保険業界に挑む #Mirantis #kubernetes #k8s #コンテナ #保険 #DX #マイクロサービス
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本稿は、Mirantisケーススタディ「Mirantis Helps Protector Forsikring Challenge Insurance Industry with Software Agility and Innovation」を翻訳したものです。
企業情報
業種:保険事業
創業:2003年
拠点:ノルウェー/オスロ
従業員数:約420人以上
URL:www.protectorforsikring.no
事業内容
2003年に設立されたProtector Forsikring社は、スカンジナビアと英国において、民間および公的機関向けの損害保険・賠償責任保険・自動車保険を取り扱う保険会社です。ノルウェーに本社を置く同社は、自治体向け保険分野でスカンジナビア諸国の第1位にランクされており、現在600以上の市町村や郡にサービスを提供しています。Protector Forsikring社の主な目標は、「コストと品質面において業界をリード」「高い収益性を伴う成長」「同社の定義するビジネスセグメントでトップ3以内の地位を達成」の3つです。何百年もの歴史を有する大手保険会社がひしめく自治体向け保険という領域において、同社は自らが挑戦者の立場であることを自覚しています。
急成長する保険会社として
急速に成長と発展を遂げる企業としてProtector Forsikring社は、コアバリューの1つに「イノベーション」を掲げています。同社ではビジネスに不可欠なアプリケーションポートフォリオを長年にわたって構築してきました。アプリケーションをVMwareで仮想化し、オンプレミスのデータセンターでWindows IISウェブサーバー上で稼働させていました。それらのアプリケーションは保険証券・クレーム対応・保険引受リスク管理のための、モノリシックなJavaベースのアプリケーションでした。アプリケーションポートフォリオが複雑化するに従い、ソフトウェア開発およびデリバリプロセスを見直したProtector Forsikring社は、マイクロサービスやコンテナを導入する時期を迎えていることを実感しました。
同社の上級システム管理者であるMarkus Pedersen氏はこう述べます。「弊社ではまだマイクロサービス開発をしていなかったので、開発アーキテクチャ全体を変えたいと考えました。私たちも設立後間もない企業というわけではないので、多くのことを変えなければなりませんでした。」つまり同社は、各アプリケーションのランタイムを標準化して依存関係からアプリケーションを分離し、同時に、アプリケーションに必要なリソースを削減してステートフルからステートレスアプリケーションに変更するなど、アプリケーションアーキテクチャの柔軟性を高める必要があったのです。またマイクロサービスの他に、継続的なソフトウェアデリバリを促進すべく、コンテナの導入も検討していました。「好きなときにデプロイ可能なコンテナに移行すれば、1日に何度でもデプロイできるようになり、開発者の自由度は格段に高まるでしょう」と、Pedersen氏は述べます。同社には30人の開発者を含む40人から成るITチームがあります。
同社はまた、従来の仮想化によって生じていたインフラの問題も解決したいと考えていました。 「主な課題は、スケーラビリティとサーバ台数でした。複数のアプリケーションをホスティングするために3~4台の仮想マシンを稼働させていましたが、互いに干渉し合う恐れがありました。コンテナを用いたマイクロサービスアーキテクチャに移行することで、アプリケーション同士が互いに与える影響を軽減できます。」と、Pedersen氏は言います。
「テスト環境で1日に何度もデプロイしています。本番環境にも同じペースでのデプロイが可能です。しかもアプリケーションのダウンタイムをほとんど発生させずに、毎日営業時間内にデプロイすることも可能です」
Protector Forsikring社 上級システム管理者 Magnus Reisaeter氏
コンテナとマイクロサービスへの移行
Protector Forsikring社は、大規模でモノリシックなアプリケーションをマイクロサービスに分割し、コンテナに格納しました。同社のアプリケーションは大部分がJava、一部がNode.jsとPythonで書かれていたため、わずかな書き換えのみで大半のアプリケーションを移行できました。また、コンテナやサービスの数が増えるにつれ、それらを管理するオーケストレータが必要となりました。ここでは、新規に採用するメンバーでも迅速にオンボーディングできるシンプルさが決め手となり、Swarmを選択しました。
Protector Forsikring社は、オープンソースのDocker Swarmを3年間使用した後、商用サポートを求め、Swarm/Kubernetes両方のオーケストレーションを備えたエンタープライズ向けコンテナプラットフォームであるDocker Enterprise(現在はMirantis Kubernetes Engine:MKE)を導入しました。Mirantisは、さまざまなプランのサポートサービスと共にコンテナプラットフォームを提供しています。本番稼働率を最大化するための継続的なモニタリングや自動アラート機能を備えたOpsCare (24時間365日)サポートなどがあります。またProtector Forsikring社では、コンテナコンポーネントの実行と管理にMirantis Container Runtime(MCR)を使用しています。
同社ではソフトウェア開発・デリバリ・運用にMKEの他に、GitHub Actions・Jira・Confluent for Kafka・SQL Server・MongoDB・Elasticsearchを利用しています。
さらに2022年に、業界をリードするコンテナオーケストレータとしてより大きなコミュニティを持つKubernetesへの移行を開始しました。
スケーラビリティ・アジリティ・セキュリティの向上
Protector Forsikring社は、マイクロサービス・コンテナ・継続的デリバリを採用した結果、スケーラビリティとアジリティを高めることに成功しました。
Protector Forsikring社のシニアシステム管理者であるMagnus Reisaeter氏は、次のように述べています。「私たちはテスト環境で1日に何度もデプロイしています。本番環境にも同じペースでのデプロイが可能です。しかもアプリケーションのダウンタイムをほとんど発生させずに、毎日営業時間内にデプロイすることも可能です」
コンテナはVMと異なりアプリケーション同士を分離できるので、アプリケーションが互いに干渉し合うことを防ぎます。同社は現在、120のマイクロサービスと10のアプリケーションを本番稼動させています。
MKEはセキュリティの向上にも寄与しています。「開発者はMKEを通して環境を把握できるようになりました。そのため以前のようにサーバホストに直接アクセスすることなく、サービスやコンテナをチェックし、適宜再起動できます」と、Pedersen氏は述べています。
さらにMKEの商用サポートによりITチームは、問題が発生した場合にもサポート体制が整っていることで安心して業務にあたることができています。Pedersen氏はMirantisのサポートの質に全体的に満足していると言います。「Mirantisのサポートに連絡すると、迅速にかつ高い技術力で対応してくれます」と同氏は述べています。
Protector Forsikring社は、SwarmからKubernetesへワークロードの移行を進めるにあたり、移行を支援するMirantisのProfessional Servicesが利用できることも高く評価しています。同社はMKEへの移行後、保険市場で費用対効果の高いソリューションでイノベーションを継続しながら、Kubernetesのさらなる可能性を追い求めています。
挑戦した課題
- 大規模でモノリシックなアプリケーションからマイクロサービスとコンテナへの移行
- 継続的なソフトウェアデリバリの促進による、アジリティの向上
- スケーラビリティの飛躍的な向上と、仮想マシンの共有によるリソースの制約の解消
ソリューション
- Mirantis Kubernetes EngineおよびSwarm/Kubernetesオーケストレーション
- Mirantis 商用サポート
- GitHub Actions、Jira、Kafka、SQL Server、MongoDB、Elasticsearch
導入の成果
- 継続的デリバリと、1日に何度もデプロイできる能力により、アジリティが向上
- コンテナによりアプリケーション間の干渉を解消しスケーラビリティとパフォーマンスが向上
- 開発者の権限をより適切に制御することにより、セキュリティを向上
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