Docker認定試験(Docker Certified Associate Exam)挑戦記 #docker
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daiです。
2014年始めからDockerを使い始め、2016年始めから www.creationline.com をDockerで運用しています。2016年半ばからDocker社公認トレーナーとして、Docker社公認トレーニングコースを担当しています。
そして2018年2月に Docker Certified Associate (DCA)になりました。言ってみれば、Dockerの知識についてDocker社からお墨付きを得た形です。
本稿ではDCAになるために受けた試験である Docker Certified Associate (DCA) exam について紹介したいと思います。
DCAとは
DCA (Docker Certified Associate) とは
- Dockerを実運用するスキルを持った人
- Docker社自らが課す試験をパスした人
です。認定試験は2017年9月に開始し、全世界でも持ってる人はまだまだ少ないようです。筆者はもしかしたら日本で初めて取ったかもしれません(未確認なので、いやいや私だという方は是非 ご連絡 ください。試験の苦労を分かち合いましょう)。
DCA examの概要
試験の概要を簡単にご説明します(※内容は試験バージョンv1.0.1についてのものです)。
試験は CKA (Certified k8s Admin) 試験と同じシステムを使っている英語によるオンライン試験、と言えばピンとくる人も多いでしょう。CKA試験は広く挑戦記が公開されているので、参照できる情報はかなりあります。ただしCKA試験そのままというわけではないので、違いを詳しく取り上げます。
まず事前にシステムから試験日・試験時間の予約を取ります。2日前まで予約可能でした。オンラインで受験できる一方で、受験者の環境は不正行為防止のためにさまざまな要件があります。
- 他人が絶対に入ってこない、かつ他人の声が聞こえない静かな個室
- 政府発行の身分証明書
- Google Chromeとウェブカメラとマイク(専用エクステンションをインストール)
ウェブカメラは政府発行の身分証明書と受験生が同一人物であることと、部屋内、机の上、机の下を映して何も怪しいものがないことを確認するために用います。
マイク、と聞いて「英会話しないといけないのか…」と心配になる方がいるかもしれません。実際には試験監督とは文字チャットでやりとりするので、音声で会話する機会はありません(読み書きが苦手だとちょっと焦るかもしれませんが…)。マイクは部屋内に不正行為を疑われる音が入っていないことを確認するためのものです。また、独り言をつぶやくのも不正行為を疑われるため、試験中はしっかり黙っておきましょう。
ここまではCKA試験と同じ、ここからがDCA試験の独自の部分です。
受験費用は 195USドル か、 175ユーロ です。CKA試験と異なり、 一発勝負 です。敗者復活はありません。また、残念ながら失敗した場合、 14日間は再試験不可 となります。
試験問題は 選択肢制 で、 全55問 です。試験時間は 80分 なので、そこそこ余裕がある…と言いたいところですが、この試験の最大の難関は、
という点です。すなわち試験中は
- ググっちゃダメ!
- ブクマもメモもダメ!
- 紙・電子問わず、英和・和英辞典もダメ!
と、記憶以外に参照できるものはありません。筆者は情報処理技術者試験とかセンター試験を思い出しました。
DCA examの実際
CKA試験と同じく、問題を詳細に明かすことは許されていないため、心構えみたいなものだけの紹介となります。
出題される試験問題は 実運用 に基く問題となります。
とはいえ「誰の視点での実運用か」というと当然Docker社視点のものなので、問題を見て初めて「そんなやりかたがあったのか!」なんて面喰らうことがあるかもしれません。そのため docs.docker.com や success.docker.com に掲載されている、 Docker社によるベストプラクティスや構成例 について、可能な限り手を動かしておくことが重要でしょう。
Dockerに関するすべての分野がまんべんなく出題されます。特にオーケストレーション(※v1.0.1ではSwarmのみ)の比重が高いため、Swarmクラスタの構築や運用について 実運用する場合 という観点で慣れておくことが重要です。
私情が入って申し訳ないですが、個人的に凶悪だなと思ったのは「 暗記系 」問題です。選択肢制だからと甘く見ていると、Docker CLIのサブコマンドをいくつも並べて「正しいのはどれかな?」という問題にしてやられます。例えば docker service、docker stack、docker-compose あたりを混ぜられるとかなり凶悪です。旧式の docker rmi と新式の docker image rm を混ぜるのもなかなか凶悪です。普段はサブコマンドもオプションもtab補完で対応しているし、対応せざるを得ないのに、この仕打ちは酷だと思います(が、試験に文句を言っても仕方がない…)。
DCA examの対策
自習は限界があるので Docker社公認トレーニングコース を受講することを推奨します(ダイレクトマーケティング)。
Swarmクラスタを実際に構築し、いろいろ実験しましょう。Docker Universal Control Plane と Docker Trusted Registry をインストールした場合・しない場合、どちらも重要です。
Docker CLIの膨大なサブコマンドやオプションの ドキュメント をさらっとでもいいから見ておきましょう。問題を見て「そんなオプション知らなかった!」が防げます。いつも使っているサブコマンドでも、どんなオプションや引数を指定できるのか見ておきましょう。
実運用に基いた試験である以上、普段からDockerに慣れ親しんでおきましょう。試験ページからダウンロードできる試験ガイド(the Study Guide)には「 付け焼き刃が迷うような問題にしてある 」と明記してあります。
試験ガイドに載っている「Content Limits」の各項目が何を指しているか、書けるようになっておきましょう。ある意味で正解が伏せられた問題集として使うことができます。
おわりに
あなたのDockerの知識と経験に対する「Docker社のお墨付き」を得るためにも、Docker Certified Associate Examに挑戦してみてはいかがでしょうか。
クリエーションラインでは日本で唯一の Docker Authorized Consulting Partner として、Docker社公認トレーニングコースを開催しています。個別のお問い合わせは こちらまでお願いいたします。