DevOpsDays Tokyo 2024のセッション「4 Keys Metricsだけじゃない!価値に目を向けたメトリクス:EBMに触れてみよう」参加レポート
こんにちは!クリエーションラインでエンジニアをしている柴田です。
今回は、DevOpsDays Tokyo 2024の弊社中村と矢田が開催したセッション「4 Keys Metricsだけじゃない!価値に目を向けたメトリクス:EBMに触れてみよう」のお手伝いをしたので、セッションの内容をレポートとして紹介します。
EBMとは?
まず、EBMとは何かについて説明がありました。定義は以下の通りです。
EBM(Evidence-Based Management)とは、「組織が不確実な条件の下で顧客の成果や、組織の能力、およびビジネスの結果を継続的に改善するのに役立つ実験的アプローチである」とScrum.orgがエビデンスベースドマネジメントガイドで定義しています。
また、EBMは4 Keys Metricsよりも大きな領域をカバーしている概念であることを説明していました。
タイトルの文字通り、EBMは「4 Keys Metricsだけじゃない!」ということですね。
EBMの重要価値領域・重要価値指標
次に、EBMで提供されている視点として、重要価値領域と価値指標があるという紹介をしました。
EBMにおける重要価値領域の視点には市場価値と組織的な能力があること。それぞれ、市場価値には未実現の価値(UV)と現在の価値(CV)、組織的な能力にはイノベーションの能力(A2I)と市場に出すまでの時間(T2M)といった重要価値領域があるということを説明しました。
また、4つの重要価値領域にはそれぞれ重要価値指標があり、重要価値指標を調査することで組織の現在地が分かるようになり、組織の成長や目標達成に向けての改善ができるとのことでした。
下記の写真に示すように重要価値領域のイノベーションの能力であれば、イノベーション率や変更失敗率、技術負債などが重要価値指標に含まれます。
本セッションでは特にこの重要価値領域と重要価値指標について理解を深めるためのワークショップを行っていきました。
ワークショップ(アウトカムを計測する)
重要価値領域に含まれる重要価値指標を予想する
まず、参加者には重要価値指標の書かれたカードが配られ、各グループで議論をしながら正しい重要価値領域を予想してカードを並べました。
参加者の方々は全部で30項目ある重要価値指標の並び替えを、活発に議論をしながら行っていました。
答え合わせ
次に、答えの書かれた紙が配られ、各チームで並べたカードの答え合わせを行いました。
参加者が各チームで間違えていた指標がなぜ正解の領域に含まれるのかを講師の中村に聞きながら、指標が持つ意味や重要価値領域との関連性などへの理解を深めていました。
気になった重要価値指標の深堀
最後に、参加者各自で気になった重要価値指標を取り上げ、参加者同士で選択理由やどう実践するかについて話し合いました。
クロージング
最後に、講師の中村がまとめとして、指標が持つ意味や指標間の関連を意識することや、顧客への提供価値やゴールをふまえて、どのように組織として能力を高めていくかを考えることを参加者に伝えていました。
参加した感想
筆者はEBMという言葉自体を知っていましたが、このワークショップに参加することで重要価値指標についても詳しく知ることができました。また、EBMを実践するにあたって、顧客や自分たちにとって指標が持つ意味を考えることが非常に重要だと感じたワークショップでした。
DevOpsDays Tokyoの会場でもEBMを知っている人は少なかったため、非常に興味を持たれる方が多かったです。また、ワークショップ中の様子を外から見学される方もいて、EBMへの関心の高さが伺えました。
ワークショップに一度参加しただけでは、まだまだ腹落ちできていない部分もあるため引き続き学んでいきたいと思いました。