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ProKanban.orgのPAM:Professional Applied Metricsを受けてきたお話 #agile #kanban

この記事は1年以上前に投稿されました。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

「xxxを受けてきたお話」シリーズ第2段。

前回に続いて、今回はProfessional Applied Metricsという認定試験を受けてきたので、この認定試験について紹介します。

PAM : Professional Applied Metricsとは

カンバンのコミュニティであるProKanban.orgがこの資格を認定しているのですが、そこでは下記のように説明されています。

[原文] The Professional Applied Metrics (PAM) assessment is available to anyone who wishes to validate their depth of knowledge of flow metrics for predictability.

[日本語訳] The Professional Applied Metrics (PAM) アセスメントは、予測可能性のためのフローメトリクスに関する知識の深さを検証したい人なら誰でも受けることができます。

Professional Applied Metrics - ProKanban.org

サイト名の通り「カンバン」に関連するもの、あとは「予測可能性」「フローメトリクス」らへんがキーワードとなっています。

試験を受けようと思った背景

メトリクス(≒ 定量的なデータ)を意思決定や改善の支援とできるように、そのノウハウを深めたい

スクラムマスター / アジャイルコーチとして、より効果的にチーム(の意思決定や改善)を支援するために、メトリクス周りは突き詰めていきたいと思っていたところでした。

メトリクスを使った支援例を一つ取り上げます。今所属しているチームでは、主な作業の一つに、別のチーム用の社内ライブラリの開発・保守があります。その中で、下記のような会話をしました。

定量的なデータによって意思決定を支援する会話例
定量的なデータによって意思決定を支援する会話例

上記以外のケースでも、ふりかえりなどによる改善活動のbefore / afterを測るのにも有効でしょう。単にふりかえりのアクション考えて実行して終わりにするのでなく、アクションが想定通りに改善に寄与している or 寄与していないを定量的に測るという意味です。

前回の記事でも取り上げた「カンバン」と、突き詰めたいと思ってる「メトリクス」が悪魔合体したこの資格は、自分的にはちょうどど真ん中な領域だったのでした。

裏目的:日本語での情報がほぼなく、ニッチなところを狙えるかも?

最近では、4 Keys MetricsEBMといったものや、アジャイルメトリクスといった書籍も翻訳されており、メトリクスはホットな領域の一つでしょう。

それにも関わらず、"Professional Applied Metrics"はおろか、"ProKanban.org"で検索してもほとんど日本語の情報が引っかかりません。ここで紹介すると参考になる人もいそうと思って、自分の整理も兼ねたアウトプットをしてみようと考えました。

試験について

試験の概要

  • 形式:オンライン
  • 言語:英語のみ(ただし、公式サイト上でGoogle翻訳の使用が半推奨されている)
  • 問題数:45問
  • 時間:45分
  • 合格スコア:85%以上

実は、Scrum.orgでの各認定試験とほぼ同じ形式となっています。ProKanban.orgの運営者に、Scrum.orgのトレーナーもいますしね。Scrum.org名物(?)のOpen AssessmentもProKanban.orgに用意されていて、無料で試験範囲の一部を確認できます。

試験の内容

内容的には、最初に紹介したキーワードがやはり中心ですね。

  • カンバンに紐づく資格なので、カンバンの基礎知識は必要
  • 合わせて、カンバンの話なので、必然的にフローに関するメトリクスになる
  • その他、予測可能性ということで、SLE(Service Level Expectation:作業項目がフローの開始から終了までにかかる時間の期待値)・簡単な統計・モンテカルロシミュレーションなど

学習リソースは、大体下記です。特に、上3つはOpen Assessmentと合わせても何回もお世話になるでしょう。

試験を通じて学んだこと

認定資格を取得することだけをゴールにするのはもったいなく、資格取得を通じて学んだことと、それを業務に活かしていくことが大切だと考えています。

は前回の資格取得記事でも触れた通り。今回の学びは以下ですね。

アクショナブルなメトリクスについて、自分の実践内容と照らし合わせて理解が深まった

よくあるメトリクスの一つにベロシティがありますが、ベロシティはそれだけ眺めていてもどう改善していけばいいかのアクションが考えにくいです。

次のアクションにつながるメトリクスを、アクショナブルメトリクスと呼びます。意思決定や改善の支援に役立つためにはアクショナブルなメトリクスを考えていきたいところで、その一つが作業項目の年齢(≒ PBIが開始してからの経過時間)です。

例えば、デイリースクラム時に作業項目の年齢を検査・適応することを想定しています。PBIが平均して3日で終わるチームで、「着手してから5日を超えてるPBIがあるけど、どう終わらせていこうか?」といった会話です。

作業項目の年齢を表すために、今まで自前でチャートを作ってみたりもしていたのですが、学習リソースのサイトにAging WIP Chartなるものが取り上げられており、何かに使えるかもと感じました。

(※:Aging WIP Chartの見方やメトリクスの実践内容は、それだけで一つの記事にできそうなぐらいなので、また別途取り上げてみようと思います。ここでは、簡単な紹介に留める程度で)

予測可能性の重要性や扱い方が少し学べた

試験や学習の中で、「作業項目の85%が8日以内に終了する」といった予測可能性の話が繰り返し出てきました。

今までにも、数ヶ月単位のリリース計画を考える際に「ここまでのベロシティから、大体xヶ月後にリリースにこぎつけられそうです」という程度には出してきていました。ただ、状況によっては、「50%の確率でxヶ月ですが、もう少し安全目な85%の確率ではyヶ月程度です」のように、確率的なのも踏まえて情報提供することによって、より精度が高い意思決定をできる場面もあるかもしれない、と思いました。


というわけで、試験を受けた手応え的には落ちててもおかしくないと思ったけれど、88%でなんとか受かりました。よかったよかった。

興味を惹かれた方は、まずは手始めにOpen Assessmentからでも受けてみるといいでしょう。

Professional Applied Metrics 認定証明書

Author

大切にしている価値観:「現場で働くチームの役に立ちたい!」
そのために
- エンドユーザーへ価値を届けることを見据えつつ
- その価値を産み出すチームもより活き活きと動けるように
を目指しています!

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