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フェニックスプロジェクトワークショップ 社内実施レポート #devops #agile #PhoenixProject

この記事は1年以上前に投稿されました。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

新しいワークショップをスタート


先日、社内で「フェニックスプロジェクトワークショップ」を実施しました!
このワークショップを開催するのはクリエーションラインとしては初めてです。
フェニックスプロジェクトワークショップとはなんぞ?
という方も多いと思いますので、その辺りの説明も含めてレポートしようと思います。

フェニックスプロジェクトとは


書籍The Phoenix Project(日本語訳は「The DevOps 逆転だ!」)に出てくる仮想のプロジェクトです。
書籍の筆者はDevOpsDays Tokyo 2019で基調講演を行ったDevOpsの第一人者Gene Kimさんです!

フェニックスプロジェクトを非常にざっくり説明しますと…(amazonを参照)

3カ月でリリース!?さもなければ部門が消える!
“デスマーチ”プロジェクトを一転、成功へと導けるか。
数々の危機を乗り越え、開発と運用が一体となったチーム体制「DevOps」が生まれていく痛快IT物語。

フェニックスプロジェクトワークショップとは


書籍「フェニックスプロジェクト」をなぞりながら、DevOpsの原則や手法を体感できるワークショップになります。
参加人数は10〜12人、それぞれに役割(CEO、開発、運用VP、人事、テストなど)が割り当てられます。
参加者は「フェニックスプロジェクト」を成功させるために様々な活動を行い、その体験を通して組織がより良く働くために必要なことに気付いていけるものになっています。
ワークショップの写真と共に説明していこうと思います。

ワークショップの学習目標


目標は「現場の環境でDevOpsを適用していくヒントを持ち帰ってもらうこと」です。
ワークショップでは仮想プロジェクトの実施を通してDevOpsの原則や手法を体感してもらいます。
詳細は避けますが、キーワードで言うと「フロー」「見える化」「役割」「コラボレーション」「カイゼン」「ゴール」などがあります。
体感してもらうというのも重要な点ですが、それを現場に活かす方法まで考えてもらうことを目標にしています。

ワークショップの対象者


対象者は「自社のプロダクト・サービスの価値を高めたい」「組織内のより良いコラボレーションを作り出したい」という強い気持ちをお持ちの方でしたら、経営・事業部門・開発部門・運用部門、どの部門の方でも対象になると思います。
特に「アジャイル/DevOpsって聞いたことはあるけど実際何なの?」というモヤモヤした方にベストマッチだと思います。

ワークショップの流れを説明


実際にワークショップの写真を見ながらワークショップの流れを軽く説明しようと思います。

イントロダクション

まずは講師・参加者の自己紹介をした後にワークショップの学習目標や概要を説明します。
仮想の会社とプロジェクトの説明も行い、参加者の皆さんに達成して欲しいゴールの説明も行います。

緊急ニュース

早速ゲームスタートです!
会社の財務が悪いこと、社運を賭けた「フェニックスプロジェクト」を成功に導く必要があることをCISOから発表されます…
無事にフェニックスプロジェクトを成功させ、会社を立て直すことはできるのでしょうか!?

役割確認

参加者には役割が割り振られ、役割に応じた役割カードが配られます。
役割はCISO、運用VP、テストなど11種類あり、基本的に1つの役割を1人で行います。
役割カードには役割の責務・担当範囲が書いているので、まずはしっかり読んで自分の役割を理解します。

ラウンド1〜4

ここまででプロジェクトを実施していく準備ができました。
ここからは実際に様々な機能を作ってリリースしていきます。
「プランニング」「実行」「振り返り」「カイゼン」を1セットとして4ラウンド回していきます。

1.プランニング
今回のラウンドで何をするか考えます。
具体的には以下のようなことを考える必要があります。

  • どんな機能開発や問題対応を行うのか?
  • どんなトレーニングを行うか?
  • 計画は実際に対応可能な作業量か?

2.実行
プランニングで決めた対応を実施します。
ただし、皆さんご存知の通り、プロジェクトを実施していると計画していなかった機能追加や緊急度の高い問題が急に発生します…
急な割り込み作業への対応もポイントになります。

3.振り返り
プランニングと実行フェーズの行動を振り返り、「どこが良かったか」「どこに問題があったか」「プロジェクトは成功に向かっているのか」などの事実を確認します。
参加者と参加者、参加者と講師の対話を通して、様々なカイゼンの種を発見してもらいます。
参加者はプランニング・実行フェーズは作業に集中していることが多いため、客観的に俯瞰できている講師は「気付き」を最大化するお手伝いをさせてもらいます。

4.カイゼン
今のラウンドよりも次のラウンドで成果を出していくために具体的なアクションを決めます。
振り返りで見えてきた事実や、体験を通して感じた気付きをベースに参加者全員で考えてもらいます。
このループを4ラウンド回すことで徐々に学びがアップデートされ、チームが効果的に働くための何かが見えてきます。

クロージング

1日を通して学んだことを発表してもらいます。
また、学んで終わりではなく学んだモノを現場で活かして欲しいので「実際に明日から取り組むこと宣言」をしてもらいます。
言葉には強い力があると思うので、同じ職場のメンバーの前で宣言することで変化の第一歩を踏み出せることを祈り、全行程終了になります。

実際のラウンド中の様子を紹介


ワークショップ開始直後

分かっていないこと、決まっていないことばかりなのでカオスな状態で始まります。
今回は「とりあえず集合して情報共有しよう」という号令でみんな集まったのですが「早く実際の作業をしなければ!」というメンバーも多い…
まさにカオスでした。

カイゼンの始まり

カオスな状態では仕事にならないことを体感します。
「何が問題」で「どう改善するか」を振り返り&カイゼンフェーズで考え、次のラウンドで実際に実行します。
分かりやすい例でいえば「見える化」などです。

学習ループ

改善は一度やって終わりではありません。
採用したアクションの結果を更に振り返り、継続・中止・修正を繰り返し自分達に合ったやり方に近づけていきます。
写真は「フロー」に着目したカイゼン第一弾ですが、この後の振り返りでWIP(Work In Progress)に着目し更にカイゼンを重ねました。
シミュレーションとはいえ、実験・学習ループから様々な気付きを得ることができたようです。

ワークショップでの学び


実際に学んだことを付箋に書いてもらいました。
キーワードを抜き出すと「見える化」「マルチタスク」「1個流し」「任せる」「目標の共有」「カイゼン」「リソースとフロー」などです。
ワークショップなので参加メンバーによって多少学びは異なるとは思いますが、チームや組織をより良くしていくための多くのポイントに気付いてもらえました。

最後に


このワークショップの良い点は、カイゼンループを高速に回すことで様々なことを体感できる所だと思います。
重要なことを「教えてもらう」のではなく「実際に体感する」ことによって、知識をしっかり消化・吸収できます。
また、カイゼンを重ねていく過程も体感できる所もポイントが高いと思います。

例えばですが…

  • 見える化は重要だと座学で教えてもらう:記憶には残るかもしれないけど実際に活用していくイメージを持つのは難しい
  • 見える化の重要性を体感する:納得感があり、どんな場面でどう活用すれば良いかイメージできる
  • 見える化のカイゼンループを体感する:唯一の正解はなく、現状と向き合い自分達に合ったやり方を模索し続けることの重要性に気付ける

今回のワークショップでも、見える化したい対象は同じでも、ラウンド2とラウンド4の見せ方はかなり違うものになっていました。
そういったカイゼンを重ねていく経過を経験できるというのは、本当の現場でも活かせる力になっていくと思います。

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Author

DevOpsチームのアジャイル好き。毎日宇都宮から通ってます。好きな言葉は「自由」!イベント主催するので参加してくださーい♩♪

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