fbpx

Jeff Patton氏のCSPO研修を受けてきた

1/14-15日に、アギレルゴコンサルティング様が提供しているCSPO研修(Jeff Pattonさんが講師)を受けてきました!研修を通して、「プロダクトオーナーとはユーザーが本当に何を求めているかを考え続ける人である」という定義が自分の中に刻まれたような気がします。

CSPO研修を受けるに至った背景

寸劇作りを通して感じたプロダクトオーナーの楽しさ

自己紹介も兼ねて、サブの理由から話します。自分は開発者としての顧客の内製化支援とともに劇団クリエーションラインという「RSGTなどのイベントで基調講演を盛り上げるための寸劇」を行っています。2代目団長を引き継いでコンセプト作り、脚本、演出まで携わって3年が経過しました。

この寸劇作りというのが、大変な部分もありますが、楽しい部分も多くて、スクラムガイドの中でもプロダクトオーナーは「スクラムチームから⽣み出されるプロダクトの価値を最⼤化することの結果に責任を持つ。」とありますが、自分が最終的なハンドルを握ってメンバーからのアイデアを取り入れていく仕事って楽しいなと思うようになりました。

内製化支援の顧客はユーザー価値よりも機能に意識が向きがち(メイン)

こちらの理由の方がメインです。これまで内製化支援として顧客と関わってきた中で、機能を作ること、ひいては年度で決めた目標のスコープを達成することに意識が向いてしまいがちであるように感じていました。

それに対して、SM的な振る舞いとしてPOに気づきを与えることも効果的ではありますが、自分のプロジェクトでは、POやステークホルダーがユーザー価値にフォーカスしてくれるようになるまで1年くらいかかっていて、なかなかの長期戦であることも課題として認識していました。よくあるスクラムチームの立ち上げ方としては、顧客の中の一人をPOに任命する方法があります。

しかし、スクラムフェス三河での平鍋さんのkeynoteの中でも、POは2人立てて上ロジと下ロジのそれぞれをカバーするのも一つの手であると言及されており、Co-Creation sherpaという伴走支援型の内製化支援を実現していく中で顧客と一緒に2人体制でPOを担える人がチームに一人いて、顧客に背中を見せられるという選択肢も持てるようになるとよいなと思ってCSPO研修を受けようと思いました。

全体を通しての感想

すごくよかったです。スクラムチームのPOというよりかはプロダクト作りに携わる全ての人にとっての研修で、product discoveryに関する話やユーザーを理解するためのワークが中心でした。全体を通してのキーメッセージとしては、

  • ビジネスやアイデアに意識が行きがちだが、最も大事なのはuserやcustomerが何を求めているかである
  • 自分の考えていることをどんどん形にしていって、人とコラボレーションしながらアイデアをブラッシュアップしたり検証することが大切

であったように感じています。

個人的に最も印象に残っているのは、Jeffさんの「最終的に採用されるアイデアは8番目にでてきたものか、複数人のアイデアを組み合わせたものだ」です。だからこそ、アイデアを早く形にして協力しながら試行錯誤を繰り返していくことの大切さを話していました。

Jeffさんの研修は手書きのイラストを書きながら話を進めるスタイルで、そのスタイルがまるでJeffさんと一緒に考えながら知識を吸収していっているようで、終わった後の納得感みたいなところがかなり大きかったです。参加者のなかには「Jeffさんの弟子になった気分で話を聞いているみたいでした」という感想を喋っている人もいました。(写真は最終日の総括の様子)

思い出せる範囲でやったことを書き出します

※主催者側から許可を得て公開しています。

1日目にやったこと

  • POの役割とは?
  • アジャイルのデリバリーサイクル
  • 何が価値を生み出すか?
  • 【ワーク】自分たちのプロダクトについて価値のふりかえり
  • アイデア出しと検証について
  • プロダクトチームについて
  • 【ワーク】各作業は、チームの中で誰がaccountabilityを持つか?
  • MVPの定義について
    • ここでは、MVPという定義は誤解を生むのでsmall successful releaseという言葉を使っていました
  • 継続的なプロダクト改善サイクルに関する4つの概念
    • sense, focus, discover, delivery
  • 【ワーク】自分たちのチームに関するふりかえり
  • 各概念ごとの解説
  • 【ワーク】プロダクトインタビュー
  • ユーザーストーリーについて
  • 【ワーク】2日目のワークのためのプロダクトとチーム決め
    • 自分はRSGTというプロダクトチームに参加しました
  • 【ワーク】プロダクトのペインポイント洗い出し

2日目にやったこと(曖昧な部分もあります)

2日目は、ワークがすごく多かったです。

  • コラボレーショントリック
  • 【ワーク】朝起きてから会場にくるまでのユーザーストーリーマッピング
  • 【ワーク】ペルソナキャンバス
  • 【ワーク】問題キャンバス
  • 【ワーク】オポチュニティキャンバス
  • 【ワーク】プロダクトOKR作り
  • ディスカバリーとデリバリーのデュアルトラック
  • the new new product development gameについて

これから意識すること・やってみたいこと

もっとユーザーと話がしたい

今のプロジェクトで自分がもう一人のPOを担うことはすぐには難しいかもしれませんが、一人の開発メンバーとしてユーザーとの会話をもっとしていきたいなと思いました。

最初のアクションとしては、研修が終わってとある機能の今後の進め方についてユーザーストーリーをみながらチーム内で会話する場で、「この画面を使う前にユーザーは画面以外で何かしたりするんですかね?」という発言をしてみました。POから「まだ聞かないといけないところあるな…」という発言が出たりして、さらなるユーザーとの話ができる機会が見込めそうな予感がしています。

ユーザー価値について定量的に測れるものを見える化する

プロダクトOKRの話でもありましたが、ちゃんと指標を見える化することの必要性を再認識しました。自分が内製化支援を行っているチームのプロダクトの課題の一つとして、既存システムを置き換えながら開発を行ってはいるものの、実際にどれくらい使われているのかが不透明なままプロジェクトが進んでしまっていることが挙げられます。

今、このタイミングで一度立ち止まって月間アクセス数やデイリーアクセス数のような指標が見える化されている環境を整えられると、そもそもユーザーの認知が足りていないのか、もっと使い勝手をよくしないといけないのかなどの判断をする材料になればよいかなと考えています。その他にも、どんな指標を取ればいいのかチームで話し合ってみる予定です。

余談

余談ですが、初日の懇親会の中でJeffさんと川口さんがRSGTの話をしていました。

その中で、Jeffさんから川口さんへ「結局参加者にとって何が一番大切なんだ?」という質問を投げかけていました(記憶の範疇では What is the most important thing for participant?みたいな質問だったような気がします)そのあたりの会話からも、Jeffさんの講義のケーススタディみたいな話が聞けてすごく面白かったです。最後に、先週のRSGTの思い出の写真をあげておきます。

Author

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」をモットーとして、情報社会の現世に紛れるアジャイルザムライ。実際は、社内外でアジャイル開発を推進するAgile CoEチームに所属するエンジニア。データ分析や機械学習モデルの構築からバックエンドまでを主戦場としています。

Yata Shinnosukeの記事一覧

新規CTA