苦戦と学びの2日間!Registered Product Owner® トレーニングで掴んだProduct Ownerの本質 #Product Owner #Registered Product Owner
本投稿はクリエーションラインアドベントカレンダー2024 24日目の記事です。
乾燥している日々が続いており、ドアノブに触れる瞬間にビリッとくるのが怖いと感じたことはございませんか?
ほぼ100%の確率でビリッとなってしまうパチパチ電気人間のチームリーダー岩城です。
2024年11月某日、Scrum Inc. Japan主催のRegistered Product Owner® Trainingに参加してきました! この2日間は、Product Owner(以下PO)の役割を実感し、その難しさと楽しさを深く体感する時間となりました。以下、詳細をレポートします!
受講のきっかけ
POの役割は、顧客のニーズを理解し、それをチームに共有しながらプロダクトを成功に導く重要な存在です。言葉で書くと簡単そうに見えますが、実際には「顧客価値を理解する」「チームに伝える」「成果を出す」という高いハードルを超える必要があります。
私が担当しているプロダクトでは、POは企業のビジネス側の職務を兼務していることが多く、諸々のボトルネックになってしまいビジネスやプロダクトの成功に大きな影響を与えてしまう可能性があると感じておりました
そこで、私自身が「POリード」となり課題解決することを目指しておりました。POリードとは、POの「案内役(Sherpa)」でありPOや開発チームのパフォーマンスを最大限に引き出しプロダクトの成功に導く役割と考えております。そのためには、PO業務を理解し、さらには、リーダーシップを発揮し、開発チーム全体の方向性を示す力が求められると考えたからです。
トレーニングの流れ
トレーニングは、まず初対面の参加者同士でチーム作りとチームビルディングを行うところからスタート。その後、形成されたチーム単位で、座学と実践を繰り返す形で進行しました。この流れにより、理論を学ぶだけでなく、実際にスクラムサイクルを回しながらPOの役割やチームのダイナミクスを体感することができました。
未経験者はもちろん、経験者にとっても、新たな発見や反省が生まれるカリキュラムでした。
(2日間のトレーニングで学びと印象が強かった部分を抜き出して紹介します)
1日目:チームビルディングと基礎の学び
午前:チームビルディングでスタート
初日は、まず「紙で雪の結晶を作る」という課題でチームビルディングを行いました。この演習ではPO、Scrum Master(以下SM)、Developer(以下Dev)の役割を交代しながら、チームとして課題をクリアすることを目指しました。
ここで早速混乱!
ゴールのイメージが共有できていない、役割が曖昧、時間制限に焦る……結果はただの「紙くず」でした。
この経験を通じて、ゴールの明確化やコミュニケーションの重要性を実感。そして、メンバーの特性や性格が垣間見える時間でもあり、終始笑いの絶えない楽しい時間でした。
午後:座学と実践を交互に進めるスクラムサイクル
午後は、座学と実践を繰り返しながらスクラムの基礎を学びました。
- 座学では、スプリントプランニングやデイリースクラムなど、スクラムイベントの目的や意義を理解。POとして「価値を伝えるスキル」の重要性を学びました。
- 実践では、簡単なプロダクトを作成する課題に取り組みました。バックログの作成からスプリント計画、開発、レビューまでを一通り経験。
特に印象的だったのは、プロダクトのビジョンステートメントを作る演習。時間制限に間に合わず苦戦し、「POとしてビジョンを示すことの難しさ」や「相手に思いを伝える(届ける)ことの難しさ」を痛感しました。
2日目:価値の追求と応用編
午前:ビジネス価値による優先順位の付け方演習
2日目は、さらに応用的な内容に踏み込みました。「デイリースクラム」では、急な割り込みタスクへの対応方法を学び、また「プランニングポーカー」を用いたバックログアイテムの見積もり演習を行いました。
この時間では以下のポイントを学びました:
- POの優先順位付けスキル
- 緊急タスクへの柔軟な対応方法
- ROIを意識した価値提供の判断基準
POとして、ビジネス価値とチームの実現可能性のバランスを取る難しさを感じながらも、同時にその重要性を再認識しました。
午後:バックログの分割とリリースプランニング演習
午後は、実際のプロダクト開発を想定した演習に取り組みました。この演習は、POとしてのスキルを実践的に鍛える内容でした。
- バックログの分割 最初に、大まかなプロダクトの目標を設定し、それを細かいバックログアイテムに分割。顧客視点で考え、価値の高い部分を優先する方法を模索しました。議論が熱を帯びる中で、チーム内での優先順位付けや細分化のバランスが難しく、POとしてどのようにリードするべきかが問われました。
- バリュースライスの体験 作成したバックログを、ユーザーストーリーごとにスライス。特に、「価値を最大化するにはどの部分を切り取ればよいか」をチームで議論する場面が印象的でした。
- リリースプランニング
最後にスプリント単位でリリース計画を立てました。顧客に届ける価値を意識しながら、どの機能を優先すべきか、リソースとスケジュールの兼ね合いをどう図るかを模索しました。特に、「限られた時間とリソースでどれだけ価値を届けられるか」を考え抜く経験は非常に貴重でした。
この午後の演習では、POが果たすべき役割をより実践的に理解し、チームメンバーの協力を得ながら進める難しさと楽しさを深く感じました。
2日間を通して得た学び
今回の研修で最も大きな学びとなったポイントを3つ挙げます:
- 形だけのスクラムは意味がない フレームワークをただ使うだけでは価値を生み出せない。基礎に立ち返り、なぜそれが必要なのかを理解し最善の方法を選ぶことが重要であること。
- POはチームの舵取り役 POは単なる指示者ではなく、顧客価値を深く理解し、それをチーム全体に伝え、共通の目標へ導くガイド役であること。
- 価値提供の中心は顧客 チーム内の自己満足で終わらないこと。顧客が「いいねっ!」と使ってくれていることが最高の「価値」であるということを改めて学びました。
まとめ
この2日間のトレーニングは、POとしての責任の重さを学ぶだけでなく、やりがいを強く感じる時間でもありました。Registered Product Owner取得はもちろん嬉しいことですが、それ以上に、スクラムの本質やPO(POリード)としての成長の方向性を明確にできたことが最大の成果でした。
トレーニングの学びを業務に生かし、顧客に価値を届け続けられるPO(POリード)を目指していきます。そして、POやスクラムに興味がある方には、ぜひこのトレーニングをおすすめしたいです!
最後に、2日間共に学んだチームメンバーの皆様、ありがとうございました!とても楽しく、刺激的な時間を共有できました!
受講前の参考書籍
『プロフェッショナルプロダクトオーナー』