ソリューションアーキテクチャーデザイン連載(9/13):RESTfulアーキテクチャーとは何ですか?
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RESTful(Representational State Transfer)とは、Webアプリケーションや分散システムを構築するためのアーキテクチャースタイルの一つです。RESTfulは、クライアントとサーバの間でHTTPプロトコルを使用してデータをやり取りすることにより、シンプルで柔軟な分散システムを構築することができます。
RESTfulでは、リソースを一意に識別し、HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を使用して、そのリソースを操作します。たとえば、Webページにアクセスする場合、クライアントはHTTP GETリクエストを送信し、サーバはHTMLドキュメントをレスポンスとして返します。また、Webフォームからデータを送信する場合、クライアントはHTTP POSTリクエストを送信し、サーバは受信したデータを処理してレスポンスを返します。
RESTfulは、シンプルな構成と柔軟性により、Webサービスや分散システムの構築に適しています。RESTfulアーキテクチャーのメリットは、次の通りです。
- 相互運用性
RESTfulはHTTPプロトコルを使用するため、異なるプログラミング言語やプラットフォームでも容易に相互運用できます。 - スケーラビリティ
RESTfulは状態を保持しない(ステートレス)ため、システム全体をスケーラブルにすることができます。 - キャッシュの有効活用
RESTfulはHTTPプロトコルを使用するため、キャッシュの有効活用が可能で、サーバーへの負荷を軽減することができます。 - 柔軟性
RESTfulは柔軟で拡張性が高く、新しい機能を簡単に追加することができます。 - セキュリティ
RESTfulはHTTPプロトコルを使用するため、HTTPSを使用することで通信を暗号化し、セキュリティを強化することができます。
一方、RESTfulアーキテクチャーのデメリットは、次の通りです。
- 複雑性
RESTfulの設計と実装は複雑で、適切な設計と実装が必要です。 - パフォーマンス低下
RESTfulはHTTPプロトコルを使用するため、高負荷なアプリケーションには適していない場合があります。 - バージョン管理
RESTfulはリソースのURLでバージョン管理することが一般的ですが、APIが更新されるたびにURLを変更する必要があり、バージョン管理が煩雑になる場合があります。 - キャッシュの問題
RESTfulの場合、異なるクライアントが同じリソースを取得した場合でも、キャッシュされたデータが適切でない可能性があります。
RESTfulは、現代のアーキテクチャースタイルに大きな影響を与えています。RESTfulは、Web上でのクライアントサーバー間のデータの共有や相互作用を容易にするための堅牢で柔軟な方法を提供し、多くのWebサービスやAPIがRESTfulに準拠するようになりました。そのため、RESTfulは、Web上でのアプリケーション開発の標準として確立されています。
また、RESTfulは、マイクロサービスアーキテクチャーの実装にも役立っています。