【和訳】Wikibonによる
2017年のビッグデータ/分析予測 #dataanalytics
この記事は1年以上前に投稿されました。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。
本稿は
Summary: Wikibon’s 2017 Big Data and Analytics Forecast(2017/3/13)の和訳記事です。
図1:グローバルでのビッグデータのハードウェア、ソフトウェア、サービスの売り上げ推移
Wikibon誌による、2017年のビッグデータ市場予測は、同社のアナリスト、George Gilbert氏と、Ralph Finos氏、Peter Burris氏によるもの
今年は、特にビッグデータを利用した戦略的なビジネスでの可能性について注目し、データをまとめている。次のような内容が明らかにされている。
- 2016年において、世界全体のビッグデータハードウェア、ソフトウェアそしてサービスは、22%の成長を遂げ、年間で$28.1Bに達している。これは図に示されている通り、IT分野で最も成長を達成しているカテゴリーとなる。
- ソフトウェアを中心に、企業によるビッグデータへの投資は年間で12%の成長を遂げる。
- ただし、ビッグデータプロジェクトで失敗しているケースも多く、他のIT技術のセグメントと比較しても多いのが懸念。
- 失敗事例が多いにもかかわらず、ビッグデータへの投資が増加しているのが特徴。従来インフラに向けられていた関心がビッグデータプロジェクトに移行しているのが傾向。
- ビッグデータプロジェクトのインフラにかかるリスクは、クラウドの採用により減少している。
従来の新技術の登場と同様に、ビッグデータへのフォーカスは、当初はハードウェアやインフラに集中していた。ビッグデータ市場においては、それは即ち大量のデータを収集し、一箇所に集約し管理する技術のことを指している。俗にデータレイクと呼ばれる技術はその一つで、一時期、このデータレイクをいかに構築するか、が話題になっていた。今日においては、データレイクの重要性は変わらないが、その環境設定のための技術だけではなく、その上の各種ツールやビジネスモデルにも関心が移っており、その代表として次のような項目が挙げられる。
- アプリケーションデータベースは分析機能を強化:データ分析はリアルタイムで判断を支援するソリューションとして今後も成長を遂げる。2016年に合計$2.6Bの売上を見せたこのカテゴリーは、その成長率が現在の30%から徐々に落ちながらも、CAGRが2022年には$7.7Bに達する予測。
- 分析データベースはデータレイクを超える:MPP SQLデータベースはデータレイクの技術として成長し、大規模なオフラインデータ分析の標準プラットホームとなる。このカテゴリーは2016年に$2.5Bの売上を打ち出し、その成長率は他のカテゴリーよりは少なく、2022年には$3.8Bに達する。
- バッチ型のインフラ型データ分析からオンライン型のオプションへの移行:このカテゴリーは、SparkやSplunkやAmazon Web Service EMR等が含まれ、2016年には$1.7Bの売上を記録している。成長は著しく、2022年には$6.1Bに達する予測。
- IoTアプリの成長により、ストリーミング型のデータ処理インフラが成長:このカテゴリーはマイクロサービス型のビッグデータアプリのベースとなり、SoEシステムも含まれる。2016年はまだまだ小さく、$1.7B程度であるが、急成長し2022年には$6.1Bに達する。
- データサイエンスツール系はAPIをサポートするモデルに:今日のデータサイエンスツールは専門知識を持つアーキテクチャや管理者が必要であるが、マシンラーニングなどを含めたデータサイエンスツールチェーンは開発者が公開するAPIをサポートすることが常識的になる。現状はわずか$200M程度の市場が、2022年には$1.8Bの規模の市場に成長する。
- マシンラーニングアプリはカスタムから汎用へ:現状は殆どカスタムメイドのマシンラーニングアプリは、今後エンタープライズアプリに積極的に導入され、エンタープライズ向けマシンラーニング専門ベンダーが登場する。2016年の市場は$900Mであるが、他のビッグデータ市場でも突出して成長し、2022年には$6.3Bに達する。
エンタープライズ企業としての課題:
エンタープライズ企業はビッグデータに関する経験度は高まっているが、ビジネスリーダの求めるレベルにはまだ達していない。2107年以降は、CIOが戦略的なビジネスの可能性により注力し、短期間で、なおかつ低コストで高度な分析システムを開発する事が重要な課題になる。